レビュー【マネーの公理】

マネーの公理



こんにちわ!株きち(@showsnowball)です!

ついさっき、マックス・ギュンターの「マネーの公理 スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール」を読了しました
今回はこの本を、特に気になった箇所について、今の自分の考えも含めて紹介していきます



第一の公理 リスクについて


内容:安心をしていては金持ちになることはできない。給与や貯金だけで金持ちになることは、(税やその他の)構造的に不可能。多少のリスク、心配が常にあることが健康的な状態である。
自分のリスクの許容範囲をしっかりと認識し、その中で考え抜いた投機(投資)をすること。
いたずらに分散投資をすることはリターンを縮小するだけ。

株式投資をしている人なら誰もが「資産を増やす」ことを目的に行っていると思いますが、そのためにはしっかりとした思考と、十分なリスクを取ることが不可欠ということです。
特にこの本ではいたるところに出てきますが、「しっかりと考え抜く」というところが一番のポイントですね。
投資の世界は本当、これに尽きるなぁと思います。誰かの教えや、なにかの情報を「鵜呑み」にしてしまうと、何度か成功するかもしれないが、いつか必ず失敗する。思考停止は一番の敵であると認識しなくてはいけません。あらゆる角度から考え抜いた上で、適切にリスクを取る。これを繰り返すことが、資産を築く唯一の道だと思います。またそのためには、自分のリスク許容度についても予め考える、知っておく必要があります。



第二の公理 強欲について
第三の公理 希望について


内容:予めどれだけの利益が欲しいか決めておく。達成したらよほど値上がり期待が出来ない事情が発生した場合を除き、利益を確定する。損切りは早めに行う。

ここではいわゆる「損小利大」ではなく、「損小利小」を推奨しているように見えます。
実はそうではなくて、利益を追い求めすぎるあまり無益な期待と執着で、リスクを取りすぎることがあるという、人間の心理面に対する警告をしています。
損小利大は基本ですが、利食いも自己のルールに予め組み込んでおくことで、リスク管理がより精度の高い適切なものになる。と解釈しました。今後の自分の売買ルール決めの参考にしたいですね。



第五の公理 パターンについて


内容:秩序がないところに、秩序を見出すな。投資の世界に必勝法は存在しない。

このセクションを読んでいた時、私は受け入れることができずに困惑しておりました。
ファンダもテクニカルも何もかも幻想で、株式投資に対する分析は全て無意味。思考することは無意味。利益が出るかどうかは運のみで左右される。
そのようなことが書いていると感じたからです。

しかし、セクション最後のまとめの一文でその誤解は溶けました。
つまりここで言っているのは、投資の「必勝パターン」に則って売買しても勝ち続けることは出来ない。しっかりと考え抜いた上で、それでも期待通りに行かないことがあることも考慮し無くてはならない。ということです。
不確実性関連の書籍を何冊か読んでいる方ならこの考え方は身についていると思います。
もちろん私もそうです。どんな投資手法やパターンでも、この世界に勝率100%は存在しない。ということですね。



第七の公理 直観について


内容:直観を鵜呑みにしてはいけない。かと言って、全く排除する必要もない。直観を説明できるだけの情報を自分が持っている場合は、有益な閃きかもしれない。


このセクションに書かれていることについて、私は全く考えたことがなかったのでとても関心しましたし、この書籍で一番勉強になりました。
直観という脳の気まぐれな働きは、有益な場合もそうでない場合もある。
それが有益かどうかは、直観の源泉である自分の脳に、閃きを説明出来るだけの情報や知識がストックされているか。直観を利用する場合はこの判断が必要ということです。
そういえば今思い出しましたが、この前私も直観が閃きました。それは自分がかねてから監視している銘柄についてのリターンを増大させることが出来るかもしれないアイディアでした。そのアイディアの検証のために、半日くらい費やしましたが今の所は使えそうにありません。笑



第十二の公理 計画について


内容:何十年も先の長期的な計画、長期投資をするということは、将来をコントロール出来るという幻想を生み出し思考停止を招きかねない危険な行為である。

ここでは、長期的な視点そのものを否定しているわけではなく、株式投資に限らず、保険や不動産等、人生のお金に関するあらゆることは、長期的な計画通りに行くとは限らないと警告しています。また、計画を立てるとそこに「執着」が生まれてしまい、適切な行動をとる妨げになる場合がある。また、長期的な計画を立てたことで「安心」し、「思考停止」してしまうと、取り返しのつかない事態に陥ってしまうかもしれない、ということです。
卵を一つのカゴに入れて、見守らない
という長期投資の意味を履き違えた行為は、明らかに危険ですよね。


まとめ


この書籍は、他の投資関連書籍で書かれている重要なポイントを読みやすい文体と面白いエピソードを交えながら分かりやすくまとめれており、良書です。
特に投資初心者の方にはぜひ読んでもらいたいですね。私も復習になりました。
また、繰り返しになりますが、この書籍で一貫して言っている事は、「安心せず自分で考え抜く」ことが資産を築く上で必要不可欠ということですね。

以上です




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